「ミラサポ」は第二の「J-SaaS」か?
中小企業・小規模事業者の未来をサポートするサイトとして先日公開された「ミラサポ」について、Twitter で問題提起をしたところ、大きな反響をいただきました。議論の前提としていただくための情報をまとめましたので、どうぞお読みくださいませ。(以下の内容は、私が調べた2013年8月4日時点のものです。リンク先の内容などは、その後、変更される可能性がありますことをご了承ください。)
[追記] それから3年後の2016年8月時点の結果を調査しました。
「J-SaaS」について
- J-SaaS =「中小企業向け SaaS 活用基盤整備事業」
- 経済産業省によるプロジェクト
- 2009年3月開始
- 目標は「中小企業 50 万社」
- 予算は「40 億円」程度であると推測。
- 「新社会システム総合研究所」が受注。
- 結果は大幅未達。
- 参考記事1: 「電子政府を推し進めようとする国の独り善がり。中小企業50万社へ普及するとはとても思えない」「表向き、業者選定に公募方式を採用するものの、裏では最初からシステムの重要部分を受注する企業がNTTデータなどにほぼ決定しているというのだ。」(週刊東洋経済 2008年5月3日号 より)
- 参考記事2: 「40億円の税金が投入され、新社会システム総合研究所という会社が当初は運営をスタートし、富士通が基盤システムを構築して2010年にその運用まで丸投げされる形になった。」「当初の目標は50万社の中小企業の獲得にあったが、2009年末の実績では3,000社程度にとどまっているという。」(PC-Webzine「40億円のSaaSプラットフォームは中小企業のIT化を加速するのか?」より)
「ミラサポ」について
- 「ミラサポは、中小企業庁委託事業として中小企業・小規模事業者の未来をサポートするサイトです。」(公式サイトより)
- 中小企業庁(経済産業省の外局)によるプロジェクト
- 2013年7月開始
- 目標は「3年以内に企業100万社と専門家1万人の参加」(セールスフォース・ドットコム社のプレスリリースより)
- 予算は「48 億円」程度であると推測。
- 株式会社電通を幹事企業とする7社(他、公益財団法人日本生産性本部、全国地方新聞社連合会、株式会社パソナ、トランスコスモス株式会社、株式会社電通国際情報サービス、株式会社電通イーマーケティングワン)のコンソーシアムが受注。
追記(2015.7.7)
- 2014年度に新規事業として41.2億円の予算を用意。2015年度当初予算案では4.9億円を計上し、機能強化を図るという。 (BCNの記事より)
所感
- 金額、目標、進め方などにおいて、共通点が多いと感じます。
- 多数の実名を挙げて申し訳ありませんが、税金がより有効に使われるようになることを期待しての情報発信であるとご理解いただければ幸いです。(2013/8/4 追記)
- 一部の所感を削除しました。このエントリーからはできるだけ私の所感を抜き、事実を共有するためのものにしたいと思います。(2013/8/4)