U-22 プログラミング・コンテストに思う

サイボウズ社長の青野です。このたび「U-22 プログラミング・コンテスト」の実行委員長を務めさせていただくことになりました。

 

私がもし「今までの人生で一番よかった選択は?」と聞かれたらこう答えます。「中学生の時にプログラミングを学ぶと決めたことです」と。

 

私は当時14歳。ガンダムのプラモデルすら正しく作れず、半田ごてを握れば鳴らないラジオができ上がる。不器用この上ない私の創作意欲を満たしてくれるのは、プログラミングしかありませんでした。

 

プログラミングはすごい。人間よりもはるかに速く計算できるコンピュータを王様のように使い、自由に仕事をさせられる。トランプの相手を務めさせたり、自分が考えた物語を形にしたり。学校では変人扱いを受けることもありましたが、私にとっては最高に楽しい時間。パソコンは1台しかなくても、私のアイデア次第で 10 本でも 100 本でも新しいプログラムを生み出せる。これぞ人間の知だ。未来の道具だ。そう確信してから、早 28 年。いったい社会はどう変わったでしょうか。

 

こちらの記事「池田信夫 blog : ソフトウェアが世界を食う」をぜひお読みください。本はソフトウェア産業になりました。音楽もソフトウェア産業になりました。メディアも、通信も、教育も、小売りも、物流も、旅館も、タクシーも、プログラミングをする人たちの手によってソフトウェア産業に変化しています。

 

今、商店街で本屋を営む人が競争している相手は、プログラミングをする人です。プログラミングによって、コンピュータを自由に働かせ、こなす仕事の量を何百倍、何千倍に拡大した人と競争しています。コンピュータはさらに速く、さらに安くなっています。スーパーコンピュータのような機材が個人で使えるようになった今、プログラミングを学んだ人に、学ばない人が勝てるはずはありません。竹やりと機関銃の戦いのように滑稽ですらあります。

 

賢い人たちはプログラミングをもっと学ぼうと主張し続けています。こちらの記事「オバマ、ジョブズ、ザッカーバーグが語る「プログラミングを学ぶ必要性」とは【動画紹介】 | TechAcademyマガジン」をご覧ください。アメリカではプログラミングを義務教育化する流れにあります。

 

さて、話を「U-22 プログラミング・コンテスト」に戻します。このコンテストは35年も前からプログラミングを学ぶ若者の育成に貢献し、数多くのプログラマーを生み出してきました。しかし、圧倒的に知名度が足りません。圧倒的に重要性を理解されていません。日本の未来を決めるような最重要クラスのコンテストなのに....。何とかしたい。

 

今回、プログラミングを学ぶ若者をクラスのヒーローにし、学校のスターにし、私たちの未来を創造する人材に育てるため、実行委員長という大役を引き受けさせていただくことにしました。今後、様々な方に協力を仰ぐことになるかと思いますが、ぜひともご支援ご協力のほど、よろしくお願いいたします。

 

そして、22歳以下でプログラミングを学びたいみなさん、たくさんの応募を待っています! 未来はすでにみなさんの手にあります。